2026年10月15日、パナソニックが一部のドラム式電気洗濯乾燥機についてリコールを発表しました。
その知らせをきっかけに、身近な家電について考える出来事がありました。妻の実家で使っている洗濯機が、今回のリコール対象だったのです。
私は消費生活アドバイザー・消費生活専門相談員の資格を持ち、以前は消費者センターで相談員として働いていました。仕事として製品の安全や消費者トラブルに向き合ってきましたが、今回の件は「リコールは特別な誰かの話ではない」ということを、あらためて身近に感じる機会になりました。
この記事では、家族の実体験を入り口に、パナソニックの公式発表を確認しながら、家庭でできる確認と対応を整理します。
妻の実家の洗濯機が、対象機種だった
リコールのニュースを目にすると、「うちの製品は大丈夫だろうか」と気になるものです。
今回、妻の実家にある洗濯機が対象に該当すると分かりました。毎日の暮らしで使う洗濯機だけに、他人事ではありません。
ただし、パナソニック製のドラム式洗濯乾燥機すべてが対象なのではありません。製品の品番や製造期間を確かめ、メーカーが案内する対象範囲と照合することが重要です。
家族が別々に暮らしている場合には、本人がリコール情報に気づいていないことも考えられます。自分の家だけではなく、離れて暮らす家族の家電を気にかけることにも意味があると感じました。
パナソニックが発表したリコールの内容
パナソニックの2026年10月15日付の公式発表によると、対象は2021年8月から2024年8月までに製造されたドラム式電気洗濯乾燥機の18品番です。
洗剤・柔軟剤などの自動投入ユニットの不具合によって液体が洗濯槽の外へ漏れ、製品内部のリード線に付着すると、場合によっては絶縁性能が低下し、発煙・発火に至るおそれがあると説明されています。
メーカーは事故防止のため、対象製品について洗剤自動投入機能を使わず、自動投入タンクを空にするか取り外した状態で、洗剤などを手動投入して使用するよう呼びかけています。
出典:パナソニック公式「ドラム式電気洗濯乾燥機 無償部品交換および点検・修理のお願い」(2026年10月15日)
リコール対象の18品番は?
2026年10月16日時点で、パナソニックの公式案内に掲載されている品番は次のとおりです。
2021年発売モデル(6品番)
- NA-LX127AL/NA-LX127AR
- NA-LX129AL/NA-LX129AR
- NA-SLX12AL/NA-SLX12AR
2022年発売モデル(6品番)
- NA-LX127BL/NA-LX127BR
- NA-LX129BL/NA-LX129BR
- NA-SLX12BL/NA-SLX12BR
2023年発売モデル(6品番)
- NA-LX125CL/NA-LX125CR
- NA-LX127CL/NA-LX127CR
- NA-LX129CL/NA-LX129CR
末尾の「L」は左開き、「R」は右開きを表します。品番だけで判断せず、製造期間や製造番号を含め、メーカーの案内で確認してください。
品番・製造番号は、洗濯機の正面ドア内側上部の表示や製品本体のラベル、保証書などから確認できます。正面ドア内側上部の二次元コードを使った申込方法も案内されています。
対象だった場合、何をすればいい?
今回の件について、パナソニックの公式案内に沿って対応を整理すると、次の順番になります。
- 洗剤自動投入機能の使用を中止する。自動投入タンクを空にするか取り外し、手動投入に切り替えます。操作方法は機種別の公式案内で確認してください。
- メーカーの専用窓口に申し込む。対象製品の申込方法は、公式ページで案内されています。
- 対策済みの自動投入タンクを受け取り、交換する。メーカーは対策済みタンク3個を送り、利用者自身が交換する方法を案内しています。交換後は自動投入機能を再開できます。
- 後日の訪問点検を受ける。パッキン交換や不燃シートの取り付け、リード線の状態確認が行われ、必要に応じて追加修理が実施されます。
これらの対策は無償で案内されています。タンク交換だけで訪問点検まで完了したと考えず、メーカーの案内に従って一連の対応を受けることが大切です。
最新の申込方法、操作手順、受付時間は、必ずパナソニックの公式リコール案内でご確認ください。
元消費者センター相談員として伝えたいこと
消費生活相談の仕事では、問題が起きてから困りごとを相談する場面に向き合ってきました。一方、製品事故を防ぐうえでは、事故が起きる前に情報が届くことも大切です。
リコールという言葉を聞くと驚いてしまうかもしれません。しかし、まず必要なのは、メーカーの正式な情報を確認し、自分の製品が対象なのか、何を控え、どこへ連絡するのかを一つずつ確かめることです。
また、メーカーや公的機関の公式サイトを確認することは、誤った情報を広めないためにも重要です。SNSやニュースでリコールを知った場合も、最後は発表元の案内に戻ることをおすすめします。
今回、妻の実家の洗濯機が対象だったと分かったことで、「家族の家電についても、時々情報を共有しよう」と感じました。何かが起きてからではなく、先に気づくきっかけを増やしたいものです。
日ごろからリコール情報を確認する方法
特定のメーカーだけでなく、さまざまな製品のリコール情報を確認したいときは、消費者庁リコール情報サイトが役立ちます。消費者庁は、リコール情報を集約し、無料のリコール情報メールサービスも提供しています(通信料は別途かかります)。
すべての製品情報を自分で探し続けるのは大変です。新しい情報を受け取る仕組みを活用したり、気づいた人が家族に一声かけたりするだけでも、行動につながる可能性があります。
おわりに――「もし明日」を、備えにつながる場所に
「もし明日、わが家の製品がリコール対象だと分かったら」。
今回の体験を通して、暮らしを守るには、お金の知識だけでなく、製品の安全や正確な情報を確かめる習慣も欠かせないと感じました。
この記事が、ご自宅や離れて暮らすご家族の洗濯機を確認するきっかけになれば幸いです。
執筆:田中 実
消費生活アドバイザー・消費生活専門相談員/元消費者センター相談員
※本記事は2026年10月16日時点のパナソニックおよび消費者庁の公表情報を基に作成しています。製品の対象判定・対応方法は最新のメーカー公式案内をご確認ください。家族の体験について、未確認の対応経過や具体的な機種名は記載していません。
