2026年11月2日、日本の防災体制に新しい動きがありました。「防災庁」の発足です。
地震、台風、大雨などの自然災害が起きたとき、国の防災対策は誰が取りまとめるのでしょうか。そして、防災庁ができたことで、私たちの暮らしにはどんな変化が期待されるのでしょうか。
「田中実の防災教室」第1回では、防災庁の設置理由・役割・これまでの体制との違いを、法律や政府の公表資料から整理します。最後に、各家庭で今日から確認できる備えも紹介します。
連載企画:田中 実(防災士)/記事制作・編集:もし明日編集部
本記事は、田中実がテーマを選び、もし明日編集部がAIを補助的に活用して制作・編集したものです。田中実本人が本文を執筆したことを意味しません。2018年3月26日、特定非営利活動法人日本防災士機構から防災士として認証。認証状を確認済みです。防災士は民間資格であり、防災庁・自治体への所属や公的機関からの推薦を示すものではありません。
この記事は2026年11月2日現在の公的情報に基づく一般向けの解説です。協和合同会社による民間の情報提供であり、防災庁や自治体の公式発表ではありません。
防災庁とは?2026年11月2日に発足した国の新しい組織
防災庁は、事前の防災対策から、災害発生時の対応、復旧・復興までを一体的に進めるため、内閣に設置された行政機関です。
根拠となる防災庁設置法(令和8年法律第61号)は2026年7月17日に公布され、地方機関である防災局の設置を定める第16条などを除き、2026年11月2日に施行されました。防災局については別途、施行日を定めることとされており、発足日時点で同局が一斉に設置されたわけではありません。政府は同年9月25日の記者会見で、この施行日を正式に発表しています。
設置法第3条は、防災に関する内閣の事務を内閣官房とともに支え、防災行政を円滑かつ迅速に進めることを防災庁の任務としています。
参考:e-Gov法令検索「防災庁設置法」/内閣府・2026年9月25日の記者会見
防災庁が新設された理由
日本では、南海トラフ地震や首都直下地震など大規模災害への備えに加え、各地で起こる風水害への対応が重要な課題となっています。
これまでも内閣府の防災担当部門などが政府全体の調整に取り組んできました。一方、大規模災害に備える計画、自治体や民間との連携、災害後の支援を、平時から継続して進められる体制の強化が求められてきました。
令和8年版防災白書は、内閣府の防災担当を発展的に改組し、人員や予算の体制を強化して、政府の防災対策を一体的に進める考え方を示しています。防災庁は、その方向性を具体化した組織といえます。
防災庁の主な役割は3つ
1.災害が起きる前の「事前防災」を進める
地震などの被害を想定した計画づくり、地域防災力の向上、防災教育、技術の活用など、被害をできるだけ小さくするための取り組みを推進します。災害が起こってから対応するだけではなく、被害を減らす準備を重視することが特徴です。
2.災害発生時に国の関係機関の対応を調整する
大規模災害では、国の複数の省庁、自治体、医療・福祉関係者、民間事業者などが関わります。防災庁は、国として必要な対策の企画・立案や総合調整を担い、関係機関の連携を図ります。
3.被災後の生活再建と復旧・復興につなげる
避難生活や被災者支援、復旧・復興に関する政策の調整も重要な役割です。命を守る初動だけでなく、住まいや生活を取り戻す段階まで、継続的な対応が求められます。
防災庁の組織には、総合政策、災害事態対処、防災計画、地域防災の4つの統括官部門が設けられています。
参考:防災庁・組織案内/令和8年版防災白書「防災庁の設置・運営」
これまでの内閣府防災担当と何が違う?
もっとも大きな違いは、従来の内閣府防災担当を発展的に改組し、内閣の下に防災庁という独立した組織を設け、政府内の調整機能を強化したことです。
防災庁には、防災に関する国の基本方針や計画、大規模災害への対応の総合調整などが位置付けられました。また、防災大臣には関係行政機関への勧告などの権限が設けられています。
ただし、防災庁が発足したからといって、すべての災害対応を防災庁だけで行うわけではありません。気象情報の発表、地域の避難情報、消防や救助などには、それぞれ役割を担う機関があります。新しい体制の運用実績や具体的な成果は、今後の公表資料を確認していく必要があります。
防災庁発足時の「緊急要請」とは?災害の予告ではありません
2026年10月28日、細野防災担当大臣は、防災庁発足に合わせて国民・地方公共団体・各府省に事前防災の強化を求める「緊急要請」を出す方針を説明しました。報道では、水・食料・携帯トイレの備蓄や家具の固定など、平時からの備えの大切さを伝える趣旨とされています。
「緊急要請」という名称は、特定の日に大地震などが起きるという予告や、独自の地震予知を意味しません。大臣は、地震などの予知情報が契機ではない旨も説明しています。SNSで見かけた憶測だけで、差し迫った災害を断定しないでください。
本節は発足前の大臣発言と報道に基づくものであり、要請の正式文書が公表された場合は、その原文を最優先して確認する必要があります。最新の案内は防災庁の公式サイトと自治体の発表で確認してください。参考:KAB ONLINE(2026年10月28日報道)、J-CASTニュース配信記事(2026年10月30日)。
防災庁ができて、家庭の備えはどう変わる?
国の防災体制が強化されることは心強い動きです。しかし、発災直後に自分や家族の安全を守るための準備は、引き続き一人ひとりに必要です。
災害の種類、住んでいる地域、建物の状態、乳幼児や高齢者の有無によって、必要な備えや避難行動は変わります。国の制度に関心を持つと同時に、わが家の状況を確認しておきましょう。
今日から確認したい5つのこと
- 自宅の災害リスクを調べる。 国土地理院のハザードマップポータルと自治体のハザードマップで、洪水・土砂災害などのリスクを確認します。地図に表示がないことだけで安全と判断しないでください。
- 家族の避難先と連絡手段を話し合う。 災害の種類によって適切な場所が異なるため、複数の候補を考えます。離れているときの安否確認方法も共有しましょう。
- 水・食料・携帯トイレなどの備蓄を点検する。 首相官邸の「災害への備え 事前にできること」では、食料や水は最低3日分を備え、特に大規模災害への備えとしては1週間分が望ましいと案内されています。家庭の人数や事情に合わせて調整しましょう。
- 家具の転倒防止と非常用持ち出し品を確かめる。 寝室や出入り口付近の家具の配置、懐中電灯や充電手段などを見直します。
- 公式情報の確認先を決める。 気象庁、お住まいの自治体、防災庁の情報を、普段から確認できるようにしておきます。
特に小さな子どもがいる家庭では、おむつ、ミルク、離乳食、子どもの衣類など、一般的な備蓄品とは別に必要な物がないか確認しておくと安心です。
参考:首相官邸「災害への備え 事前にできること」(2026年10月更新)
よくある疑問
防災庁はどこの省庁に属しますか?
防災庁設置法第2条により、内閣に置かれる組織です。
防災庁が自治体に代わって避難指示を出すのですか?
防災庁の新設を「避難情報の発令主体がすべて防災庁に変わった」という意味に受け取らないでください。避難に関する情報は、お住まいの自治体や気象庁などが発表する最新の情報を確認してください。
防災庁の最新情報はどこで見られますか?
公式サイトの防災庁「防災情報のページ」で制度・政策などの情報を確認できます。実際に災害が起きているときは、自治体の情報や気象庁の発表も合わせて確認しましょう。
まとめ|防災庁の発足を、わが家の備えを見直すきっかけに
2026年11月2日に発足した防災庁は、災害への備えから応急対応、復旧・復興までを見通し、国の取り組みを総合調整する役割を担います。
一方、制度の新設だけで家庭の危険がなくなるわけではありません。今日、家族と避難先を一つ確認する。懐中電灯を取り出してみる。備蓄の不足を一つ補う。その積み重ねこそ、暮らしを守る力になります。
「もし明日、災害が起きても。」この連載では、公式情報をもとに、家庭で実行できる防災・減災の備えを一つずつ紹介していきます。
あわせて読みたい:田中実の防災教室|家族の暮らしを守る備えを学ぶ/もし明日の記事一覧
アイキャッチ:イメージ画像(AI生成)。防災庁などの公的機関が制作・提供した公式画像ではありません。
参考にした公式資料
- e-Gov法令検索「防災庁設置法」(令和8年法律第61号):2026年7月17日公布・2026年11月2日施行
- 内閣府「2026年9月25日 大臣記者会見要旨」:発足日決定の発表
- 防災庁「組織案内・所在地」:組織構成
- 令和8年版防災白書「防災庁の設置に向けた検討」:設置の背景
- 首相官邸「災害への備え 事前にできること」:2026年10月更新の家庭向け対策
公式情報確認日:2026年11月2日。制度・組織・防災情報は更新される場合があります。最新情報は出典の公式サイトでお確かめください。
【運営・編集】「田中実の防災教室」は協和合同会社が運営する民間の防災情報連載です。公的な防災機関・相談窓口ではなく、個別の避難判断や独自の地震予知・気象予報は行いません。災害時には気象庁・自治体などの最新の公的発表を優先してください。

